8月1日(土)に、「はかせとあそぼ!花から太陽電池をつくろう!」を開催しました。

講師は、結晶材料工学分野の研究をされている、名古屋大学 グリーンモビリティー連携研究センター 鳥本研究室の方々です。

今回は、花や果物の色素を使って光を電気にエネルギー変換する太陽電池を作ります。

はじめに太陽電池の仕組みについて、講師の話を聞きました。
「太陽電池は、光エネルギーで電子を動かすことによって、電気を作り出します。今回作る色素増感太陽電池は、色素が光を吸って電子を出し、電子が酸化チタンを通ることで電気が流れます。電子は対極を通って電解液にもどります。」
少し難しい話ですが、酸化チタンや色素の構造、電子の流れについて詳しく聞き、イメージがつかめたところで作業開始です!

太陽電池全景太陽電池作業開始

まずは色素の準備です。バラ、ブルーベリー、赤ワイン、カレーなどから2種類の色素を選びます。乳鉢に入れてつぶしたり、お湯で溶かしたりして色素を出したら、それに酸化チタン付導電性ガラスを30分くらい浸しておきます。酸化チタンが付いていないほうの導電性ガラスは、まっ黒になるまで鉛筆でぬりつぶします。

色素を選ぶ色素すりつぶす
ガラス浸す鉛筆で塗りつぶす

酸化チタンに色素がしっかり吸着されました!ガラスをとり出して水ですすぎ、乾かします。そして酸化チタンの面と、導電性ガラスの鉛筆でぬりつぶした面を、両面テープで貼り合わせます。
「後で入れる電解液(うがい薬)が漏れないように、すき間をあけず、テープが重ならないよう気をつけて貼ってね!」

水で洗う貼り合わせる

貼り合わせた2枚のガラスの間にうがい薬を入れます。スポイトでうがい薬を吸って、テープを貼っていない部分からゆっくりと入れていきます。酸化チタンの色の部分全体にしみこむまで入れ、はみ出したうがい薬はペーパータオルでふきます。2枚のガラスのすき間にマニキュアをぬってうがい薬がもれないようにしたら、太陽電池の完成です!

ヨウ素入れるマニキュア塗る

早速、外に出て実験です。今日は雲一つない晴天!良い結果が得られそうです。電圧計につないで、自分でつくった太陽電池の電圧をはかってみます。
バラ o,29V、カレー 0,25V、ハイビスカス 0,4V・・・使った色素によって電圧が違って面白いですね。
「電子オルゴールを鳴らすことができるかな?」
残念ながら、1枚では鳴らすことができませんでした。チーム全員の太陽電池を直列につなぎ、耳を澄まします・・・。
「ハッピーバースデーのメロディだ!」
花や果物から本当に太陽電池をつくることができるなんて、すごいですね!

計測直列つなぎオルゴール鳴らす

最後に、講師からみんなにクイズが出されました。私たちが石油を使えるのは大体あと50年くらいだということや、地球にやってくる太陽光のエネルギーは人類の使うエネルギーの約10,000倍もあるということを知って、みんなビックリ!
「効率よく光を電気エネルギーに変換する技術がますます求められています。」
皆さんも近い将来、研究してみてはいかがですか?

質疑応答記念撮影