9月6日(日)に、「はかせとあそぼ!体感!くだものエネルギー」を開催しました。

講師は、名古屋大学 グリーンモビリティ連携研究センターの皆さんです。
※名古屋大学 グリーンモビリティ連携研究センター
名古屋大学の博士が連携(協力)して、新しいエコなモビリティ:移動体(自動車や飛行機、自転車、セグウェイなど)の研究をする研究グループ

今回のテーマは「電池」です。
身近な果物や野菜を材料にして電池を作ることができるだろうか?できるとすると、どんな電池になるのか?様々な実験を通じて、電池ができる仕組みを楽しく学びます。

はじめに、講師からお話を聞きました。電池の歴史は、200年以上も前、イタリア人のボルタが最初の化学電池を発明したことから始まります。時代とともに改良を重ね、今は材料や構造が異なる様々な種類の電池が存在し、私たちの生活に欠かせないものとなっています。
電池から電気エネルギーが発生する仕組みについて学んだ後は、いよいよ最初の実験です。
「電池に使った果物、野菜は金属が溶け込んでいるので、絶対に食べないように!」
注意事項をしっかり守って、いよいよ実験スタート!

くだもの電池講師果物電池材料

【実験1】「ボルタの電池を果物で作ってみよう!」
ボルタは、塩水を浸み込ませた紙や布を銅板と亜鉛板で挟み、両金属板を導線でつなぐと電流が流れる事を発見。のちに、希硫酸の中に銅板と亜鉛板を浸したボルタ電池を考案しました。レモンにはクエン酸などが含まれているので、希硫酸のかわりにレモンを使って電池を作ることができるか実験します。
半分に切ったレモン一個に銅板、亜鉛板をさして、ワニ口クリップつきの導線でつなぎます。そこに電子オルゴールをつないでみると...かすかに音が聞こえました。確かに電気が流れているようです。

くだもの電池金属さすくだもの電池わに口クリップ
くだもの電池計測くだもの電池オルゴール聞く

早速、電圧計で計測します。隣の子とペアとなり、数値を画用紙に記録します。テーブル毎に、一番高い数値を発表しました。レモン電池の電圧は0.9~1.0Vほど。電子オルゴールが鳴るために必要な電圧は1,0~1,5Vなので、しっかりと音が鳴るにはまだまだ電圧が足りません。
「どうすれば性能の良い電池が作れるかな?ペアで協力して考えよう!」

くだもの電池計測くだもの電池記録
くだもの電池発表くだもの電池ボードに書く

【実験2】「電池をパワーアップさせるには、どうすればいい?」
レモンの数を増やしたりつなぎ方を工夫して、どのくらいパワーアップするか実験します。直列つなぎ、並列つなぎをいろいろと組み合わせ、調べてみました。レモン2個、直列つなぎの電圧は、レモン1個つないだ時と比べて約2倍。オルゴールをつなぐとレモン1個の時よりも大きな音で、しっかりとメロディが聞こえました。4個、6個・・・さらにレモンの数を増やしていくと、LEDが点灯!

オルゴール鳴るLED点灯

レモン以外の果物や野菜、飲料水なども試してみました。どの材料を使えば一番大きな電気エネルギーが生まれるか調べていきます。グレープフルーツ 0,95V、ゼリー 0,94V、カボチャ 0,71V・・・
「こんにゃくは0,89V!こんなものまで電池になるんだ?!」
酸味のあるものだけでなく甘いものや乾燥したものなど、すべてのものから電池を作ることができビックリです!

果物選ぶ果物切る
果物いろいろ計測計測結果

【実験3】「みんなで力を合わせて、最強の電池を作ろう!」
これまでに得られた実験結果から電圧が高くなりそうな材料を選び、直列つなぎにします。さらに隣のグループと協力してそれぞれが作った電池を並列につなぎ、巨大な電池を作り上げます。
「数が多くて、つなぐ先を間違えそう!」
+極と-極を間違えないよう慎重につないで計測です。

果物いろいろつなぐ果物いろいろつなぐ2

4種類つないだ電圧は約3~4V、最も多く22種類つないだ電圧はなんと20Vもありました!これを安定して取り出すのはなかなか難しいですが、今日は身近なものから電気を作ることができ、皆、大満足です。

果物いろいろ記録果物電池発表

昨年末、トヨタが水素を燃料にして走る新型燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」を世界に先駆けて発売し話題となりましたが、今年は他メーカーも発売計画を発表するなど、電池の技術開発がさらに進められています。皆さんも夢いっぱいの電池のアイデア、是非、考えてみて下さいね☆