9月12日(土)に「親子で体感してみよう!燃料電池」を開催しました。

講師は、自動車の技術開発をされているトヨタ自動車 東富士研究所の皆さんです。また製作補助として、トヨタ名古屋自動車大学校の先生方にご協力いただきました。

今回は、身近な物から燃料電池をつくったり模型を動かすなど、様々な実験をとおして燃料電池の仕組みを学び、水素で走る燃料電池自動車“MIRAI”に乗ってみましょう!

まずは、水素や燃料電池について講師の話を聞きました。
「2012年、北極の氷の面積が観測史上最少となり、近年、日本では集中豪雨の被害が多発するなど、地球規模での温暖化が問題になっています。また石油はあと50年で枯渇すると言われており、石油に代わる燃料として注目を集めるのが水素です。」
トヨタ自動車では、地球環境に配慮した究極のエコカーづくりに取り組み、水素を燃料にする燃料電池自動車を開発、実用化しました。

燃料電池1燃料電池講師

ではさっそく実験です!
【実験1】水素のシャボン玉をつくってみよう!
水素の特徴を知るため、水素のシャボン玉をつくって飛ばしてみました。
「さて、どうなるかわかりますか?」
結果は・・・すうーーっと、上にあがっていってしまいました。水素は「地球上でもっとも軽い気体」のため、そのような現象が起きるのですね。他にも「無味無臭であること」「太陽光や風力等での自然エネルギーで水を分解して出来ること」を学び、水素と空気中の酸素から電気と水ができる燃料電池の仕組みについても理解を深めました。

水素シャボン玉2燃料電池2

【実験2】燃料電池をつくってみよう!
次に、身の回りにあるような物で燃料電池をつくります。
お茶、コーヒー、紅茶など好きな飲み物が入ったペットボトルに、電極(※)をさします。
  ※電極・・・ペットボトルのフタに赤と黒のビニールテープを貼り、2つの穴をあけ、鉛筆芯を穴にさしたもの。
次に、9V電池と鉛筆芯をワニくちクリップでつないで1分程度 電気を流すと・・・鉛筆芯にとても小さな泡がついてきました!

燃料電池4燃料電池0

続いて、ワニくちクリップに電子メロディを繋いでみると・・・かすかに音楽が聞こえてきます。たしかに電気が流れているようです。ペットボトルの飲料をポカリスエットに変えて、同様の実験を行いました。今度はどんどん泡がついてきます。メロディもはっきり聞き取ることができました♪
「ツルツルに見える鉛筆芯の表面、実は木の幹のようにデコボコしています。表面のまわりに“泡になる前”の燃料がたくさん溶けていて、その燃料を使って発電できるんです。材料を鉛筆芯からシャープ芯に変えたり、飲料の温度を変えると発電にどんな変化があるのか、またいろいろ試して下さいね。」

燃料電池ポカリ燃料電池水泡

【実験3】燃料電池を使った自動車の模型を動かしてみよう!
燃料電池自動車は、水素を電気分解して出来た電気でモーターを回して動きます。模型の実験では、まず縦長の水素ステーションで燃料となる水素をつくり模型の車のタンクに充電。その水素を電気分解して発生した電気でモーターを回します。クルマの模型が動くのを熱心に親子で見守りました。

燃料電池9燃料電池7
燃料電池8燃料電池10

【実験4】燃料電池模型を分解・組付けし、中身を見てみよう!
ビニール手袋を着用し、中身を扱う場合は必ずピンセットを使用、異物が付着しないよう注意しながら、燃料電池模型の分解作業開始!ボルト・ナットを順番にはずしていくと・・・精巧に作られた部品がなんと全部で11種類もありました。真ん中には真っ黒な膜が入っています。
「“高分子電解質膜”という難しい名前のついた膜です。実験2で皆さんがつくった燃料電池は液体を使いましたが、車では液体のかわりにこの膜が使われています。」
燃料電池の中身をみる機会は二度とないかも・・・皆、じっくり観察した後、慎重に組付けを行いました。

燃料電池セル燃料電池12

最後に、組付けが確実に行われているか講師に確認してもらいます。水素を流してみると・・・模型が動きました!しっかりと発電していますね。

燃料電池つなぐ燃料電池16

それでは、お待ちかね!究極のエコカー“MIRAI”に乗ってみましょう!
親子ペアで順番に“MIRAI”に乗り込み、構内を1周します。車内でドライバーの説明を聞きながら、“MIRAI”の走りを体感しました。試乗の後は、“MIRAI”を囲み、ボンネットを開けたり水素補充口等を見ながら説明を受けます。クルマ後部では、走行後の試乗車のマフラーから排気ガスではなく水が落ちているのを確かめました。
「本当に水しか出ないんだね!」
燃料電池自動車の良さを存分に味わっていただけた様子。最後に“MIRAI”をバックに記念撮影し、皆さん、大満足でした!

試乗3試乗4