3月19日(土)に、「純銀ねんどでアクセサリーをつくろう」を開催しました。
講師は、日陶科学株式会社の佐宗先生です。

今回は、“純銀粘土”という、見た目は普通の粘土なのに高温で焼くと純度99.9%の銀になる材料の不思議を楽しく学びながら、素敵なアクセサリーを作ります。
はじめに、羽やふくろう、バラの花など、見本から気に入ったモチーフを選んで、製作開始!

まずは純銀粘土の型取りです。
先生が実際に粘土をこねて、それぞれのモチーフごとに型の入れ方を教えてくれます。

CIMG9297純銀ねんど①

席に戻って自分が選んだモチーフをていねいに型取りをします。
「空気が残っていると後で割れてしまうので、入らないようによくこねて、指の腹で押さえながら…」
しっかり型に入れ、慎重に取り出すときれいに型取りができます。チェーンを通す穴はストローで開けます。
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次は乾燥です。乾燥が不十分だと製作途中で割れてしまうため、大事な工程です。型取りされた粘土をホットプレートにのせ、150~160℃で30分ほどかけてよく乾燥させます。少し冷めたら、裏面のみをスポンジやすりで磨きます。
磨いた時に手の水分が粘土にうつってしまうため、再度ホットプレートに戻して15分ほど待ちます。

次は焼成です。800℃の炉へ5分間入れます。ここで粘土が純銀に変わります。

CIMG9212純銀ねんど④

焼きあがりを待つ合間に「純銀粘土を使った作品の制作工程」の映像を鑑賞しました。「粘土が純銀になるメカニズム」についても説明を受け、クイズにも挑戦!
純銀粘土は、非常に細かい銀の粒子とバインダ(結合剤)と水でできています。まず、乾燥させることによって水が蒸発します。次に高温で焼くことによって、バインダが焼失します。最後に銀の粒子だけが残り、お互いがくっついて99.9%の銀になります。
「粘土が銀になるなんて不思議!!」
「化学反応が起こるんだ!面白いね」
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焼成から5分…炉から取り出した作品の表面は、光沢がなく白い粉を吹いたような状態になっていました!
いよいよ最後の工程、仕上げ磨きです。
ステンレスブラシで磨いて銀肌を出し、みがき棒で鏡面仕上げをします。
磨けば磨くほど、銀の色つやが出るので、みんな作業に夢中!
「すごい!あんなに真っ白だったのに、ピカピカに輝いている☆」
「最初に磨いた時と比べてとても硬いので、しっかり磨けるね」
ネックレスのチェーンを付けてもらい、完成です♪
純銀ねんど⑤CIMG9399
純銀ねんど⑦CIMG9259 - コピー

ところで、今回体験した金属の研磨作業について、当館の自動車館に興味深い展示があります。
「プレス型製作技術の変遷コーナー」の「手彫りプレス型の製作に用いた手作業の工具類」です。1957年まで、ヤスリや砥石を使って手作業でクラウンのフェンダを磨いていたとのこと。ぜひ立ち寄って見学してくださいね☆