8月7日(日)に、「はかせとあそぼ!花から太陽電池をつくろう!」を開催しました。

講師は、結晶材料工学分野の研究をされている、名古屋大学未来社会創造機構モビリティ領域の鳥本研究室のみなさんです。

今回は、花や果物などの色素を使って光を電気にエネルギー変換する色素増感太陽電池を作ります。

“太陽からの光を色素が吸収すると電子が放出され、その電子を酸化チタンが受け取って電気を作る”という仕組みや、色素の構造などについて学んだ後、作業スタート!

花から太陽電池①花から太陽電池②

バラ、ブルーベリー、ぶどうジュース、カレーなどから2種類を選び、色素の準備をします。乳鉢に入れてつぶしたり、お湯で溶かしたりして色素を抽出し、酸化チタン付導電性ガラスを30分くらい浸しておきます。酸化チタンが付いていない方の導電性ガラスは、まっ黒になるまで鉛筆でぬりつぶします。
「身近なものからこんなに多くの色素がとれるんだ!面白いね」

花から太陽電池③花から太陽電池⑤

酸化チタンに色素がしっかり吸着されたら、ガラスを取り出して水ですすぎます。乾いたら、酸化チタンの面と導電性ガラスの鉛筆でぬりつぶした面を、両面テープで貼り合わせます。後で入れる電解液(うがい薬)が漏れないように、すき間をあけず、テープが重ならないよう気を付けて貼ります。

花から太陽電池⑨花から太陽電池⑩

貼り合わせた2枚のガラスの間にうがい薬を入れます。スポイトでうがい薬を吸って、テープを貼っていない部分からゆっくりと入れます。
「うがい薬をこぼさないよう、空気が入らないよう、慎重に・・・」
酸化チタンの色の部分全体にしみこむまで入れ、はみ出したうがい薬はペーパータオルでふきます。2枚のガラスのすき間にマニキュアをぬってうがい薬がもれないようにしたら、太陽電池の完成!

花から太陽電池⑬花から太陽電池⑭

早速、外に出て実験です。電圧計につなぎ、自分でつくった太陽電池の電圧を測ります。バラ 0.29V、カレー 0.25V・・・使った色素によって電圧が違います。続けてオルゴールが鳴るかどうか、チャレンジ!近くの子と太陽電池を直列につなぎ、耳を近付けます。
「ジージー」
音が鳴るまであと1歩。さらに太陽電池を増やし、直列つなぎにします。
「ラッララ~ラ~ララ~♪」
少し音痴ではありますが、オルゴールが鳴ると子ども達は大喜び♪
「あっ!音が聞こえたよ!直列でたくさん電池をつなぐとパワーアップして音も鳴らせるんだね!」

花から太陽電池⑮花から太陽電池⑯

最後に、講師からみんなにクイズが出されました。私たちが石油を使えるのは大体あと50年くらいだということ、地球にやってくる太陽光のエネルギーは人類の使うエネルギーの約10,000倍もあるということを知って、みんなビックリ!もっともっと太陽光のエネルギーについて学び、効率よく光を電気エネルギーに変換できるよう、将来、研究してみてはいかがでしょうか?

花から太陽電池⑰花から太陽電池⑱