10月21日(日)に引き続き、10月28日(日)に「水溶液から結晶をつくろう!」を開催しました。

講師は、県内の科学館、小学校等でサイエンスショーやものづくり講座を実施、「科学実験キャラバン隊」などでも活躍されている光ヶ丘女子高等学校 非常勤講師 沓名先生です。

今回は、水溶液から結晶を釣り出す実験とストームグラス製作を行います。
※ストームグラス・・・19世紀のヨーロッパで天気を予測するために使われていた。結晶が天気によって変化する天気管。

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物質を加熱すると体積が大きくなるのは何故か、物質が水に溶けるとはどういうことかを学んだ後、いよいよ実験開始!ミョウバンのタネを使い結晶を釣り出します。
※ミョウバン・・・食品添加物として、漬け物のナスの色を良くするためなどに使われる。

水溶液 1028水溶液④
まず、実験器具の用途や材料の正確な量り方の説明をしっかり聞きます。
「背が高いのがトールビーカー、上がすこし狭くなっているのはコニカルビーカー。使う器具を間違えないように・・・」
精製水を1Lのビーカーに入れます。続いてミョウバンを入れ、ガスコンロで熱しながらかき混ぜ溶かします。
「65℃を超えないように温度計をしっかり確認して・・・」「濁りがなくなるまでかき混ぜるんだね。だんだん透明になってきた!」

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ミョウバンを溶かしきり、それぞれのトールビーカーに移し替え、温度が下がるのを待ちます。
「55℃になった!タネを入れよう」「結晶、どのくらいの大きさになるか楽しみ♪」
そのまま発砲スチロールの容器に入れ、時間をかけてゆっくり冷まします。

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次に、ストームグラスの製作!無水エタノールにショウノウを溶かします(溶液A)。
※ショウノウ・・・クスノキの香り成分の結晶。衣類の虫除けや芳香剤などに使われる。

続いて、精製水に硝酸カリウムと塩化アンモニウムを溶かします(溶液B)。
「だんだんと冷たくなってきた!」
水に溶けると溶液の温度を下げる物質があり、反対に温度が上がる物質もあると教わりました。最後に、溶液Aに溶液Bを入れ(溶液C)、よくかき混ぜます。
「すごい!一瞬で白く濁ったよ」
ショウノウはエタノールに溶けるが水には溶けず、硝酸カリウムと塩化アンモニウムは水に溶けるがエタノールには溶けないため結晶ができ濁る、湯せん(湯浴)すると結晶が溶け透明になるとわかりました。

水溶液5 1028水溶液⑩
溶液Cを試験管に入れ、漏れないようにしっかりゴム栓をしテープを巻きます。土台の板に固定し、周りに花を飾り付けたら完成♪

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さあ、そろそろ結晶を見てみましょう!
「良かった!ちゃんと大きくなってる」「1cmぐらい?透明でキラキラ光ってるね」
今日は、一度溶かしたミョウバンが温度の変化や水の蒸発によって再び結晶として姿を現すこと(再結晶)をしっかり観察して、化学変化の不思議を実感できましたね!これからも身近な化学変化や科学に興味、関心を持ってください☆