産業技術記念館の繊維機械館では、糸を紡ぐ・布を織る簡単な道具から機械化した初期の紡機
をはじめ、人力織機から動力織機、自動織機、そしてコンピュータ制御が用いられた最新の織機
まで約90台の繊維機械を一堂に展示しています。
豊田佐吉が1890年に発明した「豊田式木製人力織機(とよだしきもくせいじんりょくしょっき)」
の隣にあるのが、1896年に発明した、日本で最初の動力織機「豊田式汽力織機
(とよだしききりょくしょっき)」です。

これは、豊田佐吉が織機の発明を志した当初から目指した動力織機で、
この織機により、生産性が従来の約20倍に高まり、織物品質も飛躍的に向上したと
いわれています。
2009年10月9日、たて糸ビームの残量がなくなってきたため、2年振りに"タイング作業"
(たて糸ビーム残量が無くなりかけた時に織機上のたて糸を切断し、それを新しい
たて糸ビームに繋ぎ直し、たて糸を補給する作業)を行いました。
カツミ産業の社長、新美勝弘さん監督の下、熟練した職人さんが2名がかりで作業しました。
新美さんは、館のオープン当初から織機の部品の手配や修理などを
担当してくださっています。館に置いてある織機はとても古いものが多いため、
簡単には修理できないのが悩みです。

まず、844本ある織機上のたて糸を切断し、残量の少なくなったビームを取り外します。
そこに、直径約30センチのビームに844本のたて糸を約600メートル巻きつけた
新しいビームをはめ込み、一本一本手作業でたて糸を繋いでいきます。

気の遠くなるような作業は朝の9時半から約5時間かかって終了。
当日、運良く、この作業を見学することができたお客様は、オペレーターによる
詳しい説明に、熱心に聞き入っていました。