蒸気機関の煙突と煙突基礎遺構

豊田佐吉の強い決意

この煙突基礎は、1914年に作られました。 豊田佐吉は自動織機の研究を進めるうちに品質の安定した糸の使用が不可欠と考え、周囲の反対を押し切って同年に紡績工場を増設します。工場用の動力源は、設置された蒸気機関 (ユニフローエンジン440馬力)で発電される電力(300kW)と、 名古屋電燈會社からの電力(720kW)でした。
動力の庭には、蒸気をつくり、蒸気機関を動かし電力に変える「汽罐(ボイラー)室」 「汽機(蒸気機関)室」などの原動力施設がありました。ボイラー では石炭を燃やし、その排煙は煙突基礎の煙道を通って煙突から排出されていました。煙突は「鋼製耐震煙突」で、煙突基礎は、その煙突を立てるための基礎と煙道を兼ねていました。
自動織機発明に生涯をかけた、豊田佐吉の強い決意を示す遺構として、2015年に発掘、展示しています。