動力駆動の「ガラ紡」(1931年)

ガラ紡機による紡績、いわゆる「ガラ紡」は、1880年頃から全国に広がりました。愛知県三河地方でもガラ紡は広く普及し、一部では今もガラ紡が行なわれています。

発明当初のガラ紡機は手回しでしたが、やがて水車動力となり、谷川の水車によるガラ紡は「山のガラ紡」、川に浮かべた舟の水車によるガラ紡は「平野のガラ紡」と呼ばれました。水車動力は、1930年頃からモータへと切りかえられました。ガラ紡製品は、太平洋戦争直後の衣料不足の充足に貢献しましたが、その後、糸の太さを制御するてんびん機構が高速化に対応できず、いまではごくわずかしか残っていません。