片手で織物が織れる「豊田式木製人力織機」

豊田佐吉の最初の発明

この織機は、片手で筬(おさ)を前後させるだけで、自動的によこ入れができるようにしたもので、バッタンつき高機(たかばた)よりも能率が4~5割上がり、かつ織物品質も向上しました。
展示機は、1890年に豊田佐吉が発明した織機を、特許明細書に基づき1963年に複製したものです。当時は、小幅の和服用綿織物を織るのに用いられました。そのころ、日本で広く普及し始めていたバッタンつき高機は、両手を使って織る必要がありました。これを、片手で筬を前後させるだけでシャットルが左右に走るように改良したのがこの織機です。これにより、経験がなくても容易に織れるようになって能率が上がり、織物品質も向上しました。この織機は、後に世界一の自動織機を完成させた豊田佐吉の最初の発明でした。