日本で最初の動力織機「豊田式汽力織機」

日本の織布業の工業化

豊田佐吉が1896(明治29)年に発明した日本で最初の動力織機で、豊田式木製人力織機の 20倍の生産性を誇った織機です。

展示機は、1899年に製作されたものを参考にして、近年になり複製したものです。たて糸の張力を一定に保つ自動調整装置、よこ糸が切れたら自動で停止する装置、布の巻取装置などの発明が含まれています。これにより、従来は1人で1台しか運転できなかったものが、3~4台運転できるようになり、織物品質も大幅に向上しました。このような革新的な動力織機により、日本の織布業の工業化が実現し、国内経済の活性化と綿布輸出の国策に寄与しました。豊田佐吉は織機の改良を志した当初から、人力では能率に限界があると考え、動力織機の開発を決していましたが、これを実現したものです。