若葉のころ(First of May)

 

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。突然ですが、皆さんは「ビー・ジーズ(Bee Gees)」をご存じでしょうか?1977年に公開された映画「サタデー・ナイト・フィーバー」の挿入曲「ステイン・アライブ」等で一世を風靡した、英国の男性ボーカルグループです。

彼らがディスコブームの寵児となる以前の名曲に、映画「小さな恋のメロディ(原題:Melody、1971年公開)」の挿入曲である「若葉のころ」というバラードがあります。1969年にリリースされたこの曲の原題は「First of May」。これに「若葉のころ」という邦題を付けたのは、日本では5月=新緑というイメージが定着しているからでしょう。

「小さくて クリスマスツリーが大きく見えたころ 他のみんなが遊んでいるときに ぼくたちは恋をした(中略)ぼくたちは大きく クリスマスツリーは小さくなって 君はもうぼくなど見向きもしない けれども君とぼく ふたりの愛は決して死なない めぐる5月1日(First of May)に 誰が涙を流すのだろう(後略)」(対訳:Minako Yoshida※)

※出典:THE ULTIMATE BEE GEES(2018)UICY-15769/70

なお、この曲は2代目カムリ(1982~86年)のテレビCMのテーマ曲。コピーは「大きなカムリ」、出演は田中邦衛さんでした。現在、この2代目カムリは自動車館1Fで展示中です。

さて、トヨタ産業技術記念館には、敷地内に多くの樹木が植えられています。動力の庭にある大木は、国内に広く自生するエノキ(榎)です。枝が多く、夏に大きな緑陰をつくるエノキは、落葉樹のため冬は葉を落として寂しい姿でしたが、4月から鮮やかな黄緑色の若葉が全体を覆うようになりました。また、正面出入口から赤レンガの建物に沿って、東出入口まで植えられているのは、北米原産のセンペルセコイヤ。エノキと正反対の常緑針葉樹です。樹高が高くなることで知られ、円錐形で凛とした佇まい。剪定されていましたが、徐々に枝が張り出してきました。

新緑の5月、トヨタ産業技術記念館の木々にも目を向けていただければ嬉しいです。

 

      

動力の庭のエノキ(榎)(2021年4月21日撮影)