平滑性の高いつややかな塗面に仕上げる上塗り自動塗装装置

塗料の粒が小さい程きれいな塗装面になります。トヨタが独自で開発した回転霧化静電塗装(ベル塗装)装置※1は、自動的に色替えしながら、外板面を自動的に塗装することができます。1966年に導入された電動のベル塗装機は、中塗りに採用され、塗着効率は優れていましたが、塗粒が大きく、上塗りに使えるレベルではありませんでした。その後、回転霧化法でも、回転数を上げることによって塗料の微粒化が促進され、均一で滑らかな塗装が得られることがわかりました。そこで自動車のガスタービンの高速回転技術を応用して、トヨタ初の「高速回転霧化静電塗装装置※2」が開発され、1981年から上塗り工程へ導入されるようになりました。さらに1987年には「機能強化型ベル塗装システム※3」を開発し、ボデー塗装の品質の向上を図るとともに、1991年には世界初の「メタリックベル※4」もトヨタは開発しています。なお、ベルの駆動機構はトヨタで内製しています。

※1 
ノズル先端に回転するコマ(ベル)を入れることにより、遠心力で塗料を霧状にする。
※2 
それまでは、ベルをモーターで回していたため、回転数が低かった。
※3 
車種が変わると、ボデー形状に合わせベル装置の位置が自動的に変わる。
※4 
メタリックをきれいに塗装できるよう、塗料の吹出量を精密にコントロールした。