日本の独創的技術・ガラ紡機(複製)

1873年、臥雲辰致(がうんときむね)が、綿花のかたまりから直接に糸をつくりだす独特の仕組みをもつ精紡機(せいぼうき)、「ガラ紡機」を発明しました。ガラ紡機という名称は、操業中、この機械がガラガラと音をだすことに由来します。

臥雲式精紡機は1877年、第1回内国勧業博覧会で「本会中第一ノ好発明」として最高賞を受けました。発明当初のガラ紡機は、通常のよこ糸を生産していました。
1890年代に入ると、リング精紡機の糸に比べて明らかに品質が劣るとして岐路に立たされましたが、再用綿などの安い原料を用い、安い糸をつくることで太糸市場に生き延びました。

臥雲辰致は「連綿社」を設立してガラ紡機の製造を始めましたが、特許法の保護がなかったため、模造品に悩まされました。