3月13日(日)に、「はかせとあそぼ!レインボーメタルをつくろう」を開催しました。

講師は、名古屋大学 グリーンモビリティ連携研究センターの神本先生です。
※名古屋大学 グリーンモビリティ連携研究センター
名古屋大学の博士が連携(協力)して、新しいエコなモビリティ:移動体(自動車や飛行機、自転車、セグウェイなど)の研究をする研究グループ

今回は電気と化学の力で金属に色をつける実験を3つ行います。

まずは、電気分解による「陽極酸化」について、先生から説明を受けます。「陽極酸化」とはプラス極で電気を流すと金属が酸化する、つまりさびることです。この原理を利用する「陽極酸化処理」としてはアルミニウムを使う「アルマイト処理」が代表的で、やかんや鍋、スマートフォンのケースなどに用いられていますが、今日はより発色がいいチタンを使用して、実験を進めます。

レインボーメタル①CIMG8811

実験に際しては必ずゴム手袋とゴーグルをつけること、電流の流れている金属部分は絶対に触らないこと。注意事項をしっかり頭に入れて、いよいよ最初の実験「色見本の作製」です。

チタン表面の色が陽極酸化でどのように変化するのか、子ども達が考えた様々な電圧で試していきます。チタンの板をプラス極とマイナス極に接続し電解液に入れ、電圧ダイヤルを少しずつ回して、色を確認したいボルト数に合わせます。
「30ボルトだと青い色なんだ!」「少し電圧が変化するだけで色が変わる!」
電圧が高いほど、酸化被膜は厚くなります。酸化被膜とは、陽極酸化によってチタン表面に生じる酸化チタンの膜のこと。この膜は無色透明ですが、厚さが光の屈折に影響してある特定の色だけが強められ、結果として「その色に見える」という現象が起こるのです。
「膜の厚さを正確にコントロールして、自由に色をつけられるといいな!」

レインボーメタル②CIMG8827

レインボーメタル④レインボーメタル⑤

次は、「レインボーメタルの作製」に挑戦。
プラス極はチタン棒に、そしてマイナス極はチタン板に接続し、電解液に入れます。今度は電圧ダイヤルを最大まで回し、逆に電流値は先ほどよりも小さくして電気を流します。電解液の中でチタン棒の色が変わり始めたら、チタン棒を少しずつ引き上げていきます。
電気が流れる時間が長い箇所ほど、陽極酸化が進んで酸化被膜は厚くなります。
「慎重に引き上げたので、ゴールド、ブラウン、ブルーときれいにグラデーションになったよ☆」

レインボーメタル⑥CIMG8903

最後に、模様をつけた「カラーメタルの作製」です。文字や記号のシールを貼ったチタン板を電解液に入れ、陽極酸化を行います。背景に色をつけるため、ボルト数を合わせます。シールの貼ってある部分は反応しないため、元の状態でシルエットだけがはっきりと残ります。シールをはがしてシルエットの部分にも順番に色をつけることもできます。
「ボルト数の高い色から低い色の順に模様をつけると思いどおりの色がつけられるよ」

レインボーメタル⑦レインボーメタル⑧

電気と化学の力で素敵な作品ができました。陽極酸化は様々な技術に応用されています。ぜひ身の回りで探してみてくださいね♪