3月11日(土)に、「金属を溶かして“いもの”をつくろう」を開催しました。
講師は、新東工業㈱豊川製作所の皆さんです。
※新東工業株式会社
トヨタグループの創始者である豊田佐吉を助け、鋳造(ちゅうぞう)職人として働いていた久保田長太郎が久保田鋳造所を発足し、その後、久保田製作所、新東工業㈱へと発展。現在は世界トップレベルの鋳造設備メーカーとして、日本のモノづくりを支えています。

今回は、豊川市のゆるキャラ“いなりん”をかたどった鋳物(いもの)を作ります。

いもの①いもの②
鋳物は金属を高温で溶かして型に流し入れ、冷え固まった後に型から取り出したもの。まずは講師からフライパン、マンホールの蓋(ふた)、自動車部品など身近にある鋳物製品について話を聞きました。自動車館でエンジンシリンダーブロックの鋳造工程などを見学した後、製作スタート!

いもの③ いもの④
いなりんの前身半分は子ども達が、後身半分は親御さんが担当。砂を少しずつ両手で砕くようにパラパラと木枠の中に入れて、型に合わせてしっかり押し固めていきます。砂を入れては押し固める作業を続けて、木枠の四隅まで隙間なく砂を詰めていきます。
「両手の指先に体重をかけて・・・木枠が浮いて砂が入らないよう気をつけないとね」
砂を型からあふれるまで詰めたら、かき棒で木枠の高さに合わせて平らに整えます。

いもの⑤ いもの⑥
ハンマーで軽くたたいて底の木板を外し、ちゃんといなりんの形になっているか確認。
「しっかり押し固めたからきれいに形ができ上がったよ!」
親子で作った上下の型をずれないように合わせたら、砂型が完成です。

いもの⑦いもの⑧
ここからは講師の作業なので、透明なついたて越しに見学します。湯口(ゆぐち)から約300℃くらいに熱して水のように溶けたホワイトメタル(すず、アンチモン、銅を混ぜたもの)を流し込み、上の枠と下の枠の分離を防ぐためにカエル型の重しを乗せます。冷却が済んだらいよいよ木枠をはずします。
「いなりんが出てきた♪」「金属を溶かしたり、固めたりするのは初めて見たよ!面白いね」
砂を落として余分な部分を切り落とし、バリ取りをしてもらいます。

いもの⑨ いもの⑩
「いなりんの目や鼻、背中の米粒、細かいところもうまくできたよ♪完璧☆」
仕上げに紙やすりをかけたら作業完了!普段はできない貴重な体験ができましたね。

会場(創造工房)のG型自動織機加工機コーナーには、久保田長太郎が自動織機量産のために製造した国産初の鋳型造型機が展示されています。また、特別展示室にて開催の特別展「研究と創造の生涯 佐吉の志と、それを支えた人々」でも久保田長太郎について紹介していますので、是非、見学してくださいね☆