10月22日(日)に、「水溶液から結晶をつくろう!」を開催しました。

講師は、県内の科学館、小学校等でサイエンスショーやものづくり講座を実施、「科学実験キャラバン隊」などでも活躍されている光ヶ丘女子高等学校 非常勤講師 沓名先生です。

今回は、水溶液から結晶を釣り出す実験とストームグラスつくりを行います。
※ストームグラス・・・19世紀のヨーロッパで天気を予測するために使われていた。結晶が天気によって変化する天気管。

①水溶液結晶1
物質が水に溶けるとはどういうことかを学んだ後、いよいよ最初の実験開始!ミョウバンのタネを使い結晶を釣り出します。
※ミョウバン・・・食品添加物として、漬け物のナスの色を良くするためなどに使われる。

結晶2②水溶液
精製水をこまごめピペットを使って正確に量り、ビーカーに入れます。続いてミョウバンを入れ、かき混ぜ溶かします。溶けない場合はガスコンロで熱します。
「70℃を超えないように・・・温度計をしっかり確認しよう」「透明になったよ!溶け切ったんだね」

結晶3④水溶液
トールビーカーに移し替えて温度が55℃以下になるのを待ち、タネを吊るします。そのまま発砲スチロールの容器に入れ、時間をかけてゆっくり冷まします。
「急に冷やすと結晶が不揃いで小さくなるんだね!」「ワークショップが終わるまで冷まして・・・3時間後が待ち遠しいな♪」

⑤水溶液⑥水溶液
次に、ストームグラスをつくります。まず、無水エタノールにショウノウを溶かします(溶液A)。
※ショウノウ・・・クスノキの香り成分の結晶。衣類の虫除けや芳香剤などに使われる。
続いて、精製水に硝酸カリウムと塩化アンモニウムを溶かします(溶液B)。
「あっ、だんだんと冷たくなってきたよ!」「不思議!なぜだろう?」
新しい発見です!水に溶けると溶液の温度を下げる物質があるとわかりました。反対に、温度が上がる物質もあると教わりました。最後に、溶液Aに溶液Bを入れ(溶液C)、よくかき混ぜます。
「すごい!一瞬で白く濁ったよ」
ショウノウはエタノールに溶けるが水には溶けず、硝酸カリウムと塩化アンモニウムは水に溶けるがエタノールには溶けないため結晶ができ濁る、湯せん(湯浴)すると結晶が溶け透明になることを教わり、みんな興味深々!
「この反応を天候予測に使うんだ!ストームグラスって面白いね」

結晶4CIMG5926
溶液Cを試験管に入れ、漏れないようにしっかり栓をし土台の板に固定します。周りに花を飾り付けたら完成です!秋の天候の変化をどこまで予測できるか、楽しみですね!

⑨水溶液⑩水溶液
さあ、そろそろ時間です。ドキドキしながら保冷容器の中を見てみると・・・
「結晶の形がみんな違うんだね!」「光に当てるとキラキラしてとっても綺麗♪」
大きさ、形は様々ですが見事にできあがった結晶にみんな笑顔です☆一度溶かしたミョウバンが、温度の変化や水の蒸発によって再び結晶として姿を現すこと(再結晶)をしっかり観察できました。実験をとおして化学変化の不思議をたくさん実感することができましたね。身近な化学変化にはどんなものがあるのかな?いろいろ観察してみてくださいね。