9月2日(日)に、「~菓子木型の世界~和三盆干菓子づくり体験」を開催しました。
※和三盆・・・香川県と徳島県の一部で伝統的な製法で製造されている上品な味わいの高級な砂糖。サトウキビが原料できめ細やかな粒子が特徴。

講師は、香川県高松市在住の (有)市原の市原さんと菓子木型を使った和三盆干菓子の製作体験ができる「豆花」の上原さんです。市原さんは香川県より認定を受けた伝統工芸士で全国に数えるほどしかいない菓子木型職人。数々の新しい分野にも挑戦されていて「現代の名工」にも認定されています。上原さんは市原さんの娘さん。伝統文化をたくさんの人に身近に感じてもらえるよう、お二人で多くの活動をされています。

今回は、伝統工芸品の菓子木型を使い、和三盆で干菓子を作ります。

干菓子づくり①干菓子づくり②
はじめに、和三盆につける色と木型を選びます。
「鯛、ブドウ・・・たくさんある!コアラの型もいいな」「細かいところまですごくきれいに彫ってある」「木型は上板と下板を合わせて1組なんだね」
和三盆の作り方や歴史、干菓子の作り方などを聞いた後、製作開始!

干菓子づくり③干菓子づくり④
手をきれいに洗って利き手に手袋をはめたら、和三盆に水を入れしっかり混ぜていきます。3分ほどこねて手触りがサラサラになったら裏ごしをします。
「裏ごしをするのは初めて!」「かたまりをしっかりつぶしていかないと・・・」

干菓子づくり⑤’干菓子づくり⑥
上板と下板を重ねた木型に和三盆を詰めます。
「ギュッギュッと強く押すんだね。難しいな」「できあがりがきれいな形になるよう角の部分もしっかり詰めないと」
木べらの側面で木型をやさしくなぞり余分な粉を落とします。

干菓子づくり⑦干菓子づくり⑧’
上板の左側を5㎜ほど上げ右側を木べらで軽くたたき、上板を取ります。下板の両端を持ってまな板の上にパッと返すと・・・
「きれいに型から抜けた!面白い♪」
木型をどんどん変え4~5種類の干菓子を作っていきます。
「あまり強く返すと割れちゃいそう・・・」「最初は緊張したけど、だんだん上手になってきたよ」

干菓子づくり⑨干菓子づくり⑩
「たくさんできた☆コロッとしててどれもかわいい♪」
さっそく、できたての干菓子を味わってみます。
「美味しい♪食感がホロホロ!」「干菓子は初めて食べたよ。とっても優しい甘さ」

CIMG3169干菓子づくり⑫
最後に、市原さんが彫ったおよそ20種類の菓子木型を見ながら和菓子と木型の歴史について学びました。結婚式などの祝い事につきものの和菓子を作るために木型は欠かせない道具だったことなど知りました。ワークショップ後は、会場に展示された名古屋の丸米商店所蔵の珍しい木型も鑑賞しました。

干菓子づくり⑬干菓子づくり⑭
干菓子は割れないよう箱に詰めて持ち帰ります。1日経つと市販の干菓子と同じように固くなるので食感の違いが楽しめますね。
今日は、菓子木型の世界に触れ、様々な種類の彫刻刀で木型を彫る市原さんの高い技術も感じることができました。当館では、金属加工コーナーに「木型製作用各種木工具」など展示されています。ぜひ、見学してみてください。