10月21日(日)に、「水溶液から結晶をつくろう!」を開催しました。

講師は、県内の科学館、小学校等でサイエンスショーやものづくり講座を実施、「科学実験キャラバン隊」などでも活躍されている光ヶ丘女子高等学校 非常勤講師 沓名先生です。

今回は、水溶液から結晶を釣り出す実験とストームグラス製作を行います。
※ストームグラス・・・19世紀のヨーロッパで天気を予測するために使われていた。結晶が天気によって変化する天気管。

【補正】水溶液①【補正】水溶液②
物質を加熱すると体積が大きくなるのは何故か、物質が水に溶けるとはどういうことかを学んだ後、いよいよ実験開始!ミョウバンのタネを使い結晶を釣り出します。
※ミョウバン・・・食品添加物として、漬け物のナスの色を良くするためなどに使われる。

水溶液③水溶液④
まず、実験器具の用途や材料の正確な量り方の説明をしっかり聞きます。
「学校のビーカーより背が高いね。トールビーカーっていうんだ」「こっちはコニカルビーカー。使う器具を間違えないように・・・」
精製水を1Lのビーカーに入れます。続いてミョウバンを入れ、ガスコンロで熱しながらかき混ぜ溶かします。
「70℃を超えないように・・・温度計をしっかり確認しよう」「まだ濁ってる。向こうが透けて見えるくらいになるまでかき混ぜないと」

水溶液⑤水溶液⑥’
ミョウバンを溶かしきり、それぞれのトールビーカーに移し替えます。55℃以下になったらタネを吊るします。
「タネ、小っさい・・・大きさは2、3mm?!」「落としそう~でも手で触ると結晶ができにくいから気をつけて」
そのままプラスチックの容器に入れ、時間をかけてゆっくり冷まします。

水溶液⑦水溶液⑧
次に、ストームグラスの製作!無水エタノールにショウノウを溶かします(溶液A)。
※ショウノウ・・・クスノキの香り成分の結晶。衣類の虫除けや芳香剤などに使われる。

お湯の入ったビーカーに水溶液のビーカーを浸けて溶かすと教わり、さっそく実践!
「なかなか溶けなかったけど、湯せんするとしっかり溶けた」
続いて、精製水に硝酸カリウムと塩化アンモニウムを溶かします(溶液B)。最後に、溶液Aに溶液Bを入れ(溶液C)、よくかき混ぜます。
「すごい!一瞬で白く濁ったよ」
ショウノウはエタノールに溶けるが水には溶けず、硝酸カリウムと塩化アンモニウムは水に溶けるがエタノールには溶けないため結晶ができ濁るとわかりました。

水溶液⑨水溶液⑩
溶液Cを試験管に入れ、漏れないようにしっかりゴム栓をしテープを巻きます。土台の板に固定し、周りに花を飾り付けたら完成♪

水溶液⑪’水溶液⑫
さあ、そろそろ時間です。結晶はできているのか、ドキドキしながら見てみると・・・
「すごい!思ったより大きい」「キラキラ光ってきれい☆」
今日は、一度溶かしたミョウバンが温度の変化や水の蒸発によって再び結晶として姿を現すこと(再結晶)をしっかり観察できました。化学変化の不思議も実感できましたね!