昨日に続き、6月16日(日)に中高生向けワークショップ「未来博士のための高度実験講座」を開催しました。
講師は、愛知工業大学 電気工学専攻の中野寛之先生です。
愛知工業大学では、オープンカレッジ 名古屋キャンパス公開講座を開催しており、中野先生は「少年少女のための講座」でロボット教室や、科学・ものづくり教室の講師もされています。

今回は、青色LEDや放射線観測装置などノーベル賞にまつわる実験を検証します。

高度実験①いくみ
はじめに、ノーベル賞の歴史や理念などを学びました。2014年にノーベル物理学賞を受賞した青色LEDについて教わったところでノーベル賞検証実験開始!

高度実験③高度実験④
1つめは、青色LEDに関する実験!まずは光の3原色LED回路を作り、3つの可変抵抗の出力を調整しながらLEDの色がどのように変化するのか観察します。
「1番左を回したら赤く光ったよ☆」「真ん中は青、最後は緑色になった!」
光の3原則により3色を混ぜることで全ての色が作れるとわかり、最後は白色を作ることに挑戦!
「白色を作るのは結構大変!微妙な調整が必要だね」

高度実験⑤LEDランプ
続いて、青色LEDに関する受賞理由を教わり、それを検証するため青色チップLED点灯回路を作ります。青色LEDを点灯し、黄色い蛍光色の紙を乗せると・・・
「本当だ、白色になった!これがスゴイことなんだね」
実験の後は、フルカラーLEDランプ作り☆プラスチックケースに布シールと和紙を貼り付けます。LEDを好きな色に調整して基板にケースをかぶせたら完成!

高度実験⑦高度実験⑧-2
2つめは、放射線飛跡観察実験!この実験は霧箱を使って行います。
※霧箱
1897年に気象学者のチャールズ・ウィルソン(英)によって発明された放射線を視覚化する装置。1927年にノーベル物理学賞を受賞。

実験の前に、放射線の種類をはじめ放射線と放射能の違いや人体への影響などについて学びました。続いて、今回の実験で放射線源として使用するマントル(ランタンの芯材)の安全性、ドライアイスの特性と取り扱い注意をしっかり聞き、実験開始!

ドライアイス高度実験⑩
黒いシートを敷いたクリアケースの中央に、マントルを取り付けた吸盤を貼り付けます。ふたの側面にスポンジテープを貼り、エタノールをしみ込ませます。ケースにふたをして底をドライアイスで冷やします。しばらくケースの中を観察すると・・・
「見えた!飛行機雲のような白い線が飛んだ」「これが放射線の飛跡なんだ、不思議~」
なぜ放射線が観察できるのか、霧箱のしくみについて詳しく説明を受けました。

高度実験⑪高度実験⑫
最後に、おまけの実験!2014年に日本人がイグノーベル物理学賞を受賞した“バナナの皮はなぜすべるのか”にちなみ、どの果物の皮が1番よく滑るか選手権を行いました。バナナなど5種類から予想します。実際に学生スタッフが滑って検証しました。
「やっぱりバナナの皮だと思う!」「あっ、メロンが一番遠くまで滑ったよ!」「体を張った実験、こんなの初めて見たよ☆」
今回はノーベル賞という難しいテーマでしたが、わかりやすい解説と実験で楽しく理解することが出来ましたね。将来ノーベル賞を目指すような科学者が誕生することを楽しみにしています!