8月23日(金)に、中高生向けワークショップ「キミも博士になろう!金属めっき実験講座」を開催しました。

講師は、名古屋大学 未来社会創造機構マテリアルイノベーション研究所の神本先生です。
※名古屋大学 未来社会創造機構マテリアルイノベーション研究所
マテリアル(材料、原料等)領域におけるイノベーションへの貢献及び産学官連携による社会的価値の創造を推進するための研究所。

今回は、鉄の表面にめっきする実験を行い、鉄の腐食(さび)について化学的に学びます。

_金属めっき① _金属めっき②
はじめに、鉄はさびやすく、さびをなるべく無くすために1番多く使われている方法は鉄の上にめっきすることだと教わりました。続いて、電気化学の基礎や腐食・防食の原理をしっかりと学びました。
「酸化還元反応は知ってる!」「イオン化傾向はまだ学校で習ってない・・・」「金属の電極電位って何??」
少し難易度が高い内容でしたが、鉄よりもイオン化傾向が大きい金属で表面を覆うと腐食が防げると解りました。

_金属めっき③ _金属めっき④
いよいよ、実験!まずは、亜鉛・鉄・ニッケル・銅の電位を測定します。電極電位の測定原理・方法を教わり、さっそく計測!
「ガラス管、細いから割らないように」「亜鉛-1000mV、鉄-450mV、ニッケル-85mV、銅-190mVになったよ」「ニッケルの電位が銅より高い・・・標準電極電位の順番と違うね」
ニッケルはNiO(ニッケル酸素=さびにくい)の被膜ができるため、銅より電位が高くなりやすいと教わりました。
 
_金属めっき⑤ _金属めっき⑥
鉄に亜鉛、ニッケル、銅をめっきします。
「溶液に沈める面積と電流密度を計算して電流を調整・・・」「時間は10秒、30秒、いろいろ変えて試してみよう」
 
_金属めっき⑦ _金属めっき⑧
めっきした金属の電極電位を測定し、最初に測定したその金属の電位になるかどうかを確かめます。
「30秒の亜鉛めっきは-1000mV。ほんとうに亜鉛の電位になった!」「これでさびが防げるね」「あれ?銅めっきは-500mV・・・なぜ鉄の電位に近い?」
きれいにめっきされているように見えても表面にはマイクロサイズの穴が空いていること、また、そこから腐食すると教わりました。
  
_金属めっき⑨ _金属めっき⑩
最後に、当館「金属加工コーナー」鍛造の実演で製作しているコンロッドのミニチュアに好きな金属をめっきします。
「銅とニッケル、それぞれ1分ずつめっきしよう!」「複雑な形状・・・どれだけ電流を流せばいいかな?よし!上手くできた☆」
 
_金属めっき⑪ _金属めっき⑫
「めっきの仕組みは知っていたけど、作るのはとても大変だと解った」「学校ではできない実験ですごく楽しかった☆」
めっきは自動車部品など身近なものに数多く利用され、高度なめっき技術がどんどん開発されています。どのように電気を流してめっきされているかなど、いろいろ調べてみると面白いですね!