貴重で美味しい?トヨタコレクション

 

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

先月の館長メッセージでもお知らせしたとおり、当館にとって2年ぶりの企画展「いのちと向き合った医師たちの挑戦 江戸期の医療とモノづくり」がスタートしました。既にお越しいただきました皆様、誠にありがとうございます。また、会期中に実施している関連イベントにも多くのお客様にご参加いただいています。今後は11月20日(土)に講演会、12月11日(土)には落語会を予定しています。

今回の企画展は恒例の「トヨタコレクション企画展」です。トヨタコレクションって何?と思われる方も多いと思いますので、あらためてご紹介します。トヨタコレクションについては20年前、2001年1月に東京国立文化財研究所保存科学部の三浦定俊部長(当時)が、同研究所の広報紙に寄稿されていますので、引用させていただきます。

「トヨタコレクションはトヨタ自動車株式会社が1999年12月に神戸の赤木清士氏より購入し、現在、国立科学博物館に寄託されている江戸から明治までの科学・技術資料群で、もとは赤木コレクションと呼ばれていました。(中略)トヨタコレクションは、江戸中期から幕末期にかけて、欧米からの知的刺激を受けた学者や職人の手による、様々な科学技術に関する実物が多く含まれた資料として、大変価値の高いコレクションです。我が国の明治時代の技術発展の基礎は、様々なルートで鎖国日本に入ってきた海外の情報を、江戸時代の人々が自分たちなりに理解し取り入れていったことで築かれたと言われています。(後略)」

出典:東京国立文化財研究所『TOBUNKEN NEWS 2001 No.4』p.2-3 (2001年1月発行)

 

今回の企画展には、トヨタコレクションの中から、エレキテル(電気治療器)、木製顕微鏡などを展示しています。これらは西洋から伝わってきた貴重な機器を、江戸時代の日本人が原理や加工技術を学びながら模倣し、自作したものです。その驚くほどの出来栄えを実際に是非ご覧ください。

また、この企画展にちなんで、図書室やカフェでも特別な品揃えで皆さんをお待ちしています、

どうぞお試しください!

江戸時代も人気を集めた甘味(どら焼き、わらび餅、団子)とともに(諸説あります)

ミュージアムカフェでの特別メニュー「江戸三昧(えどざんまい)」600円(税込)