酷暑の中の、ささやかな清涼感

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。
史上稀な短い梅雨が終わり、早くも本格的な夏が到来しました。
象庁の1ヵ月予報では、7月の気温は全国的に高くなるようです。酷暑ですね。
この時期、洗車好きの私としては、ドライブスルー洗車機を利用する時に清涼感を感じます。

ところで皆さんは、洗車機はいつ開発されたかご存じでしょうか。

日本機械学会によると、竹内鉄工(現タケウチテクノ)が1962年に開発し、国内外の特許を取得した日本初の「移動式ブラシ付門型自動洗車機」が、現在世界に普及している自動洗車機の原点だそうです。1950年代までの洗車機は水の噴射のみで洗車は人手に頼っていましたが、同機は回転ブラシによって洗車を機械化することに成功し、洗車能力を飛躍的に高めたとされています。停車状態のまま門型の洗車機本体が1往復するブラッシングで隅々まで洗車し、所要時間は3分でした※。

その後、自動洗車機の技術革新は進み、ブラシも化繊タイプから不織布やスポンジ製に変わり、センサー技術の発達により、セルフで利用できるドライブスルー型が一般的になりました。静音タイプや水の使用量を従来の半分に削減した節水タイプもあるようです。開発に携わったエンジニアの方々の努力に思いを馳せながら、洗車で清涼感を味わってみてはいかがでしょうか。

             ※日本機械学会 機械遺産第82号 移動式ブラシ付門型自動洗車機
https://www.jsme.or.jp/kikaiisan/heritage_082_jp.html

ドライブスルー洗車機の車内にて(撮影地:愛知県みよし市、2022年6月)