「夏の大三角」が輝く夜空

 

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

皆さんは「夏の大三角(だいさんかく)」をご存じでしょうか?

8月中旬の21時過ぎに、南を向いて夜空を見上げると①真上に輝く最も明るい「こと座のベガ」 ②ベガの左下に輝く「わし座のアルタイル」 ③ベガの左に少し控えめに輝く「はくちょう座のデネブ」、この3つの星を結んだ形が「夏の大三角」です。DREAMS COME TRUEの名曲「あの夏の花火」(1992年)にも、夏の夜空の主役を花火に奪われる、8月の星座の代表格として登場します。

街の灯りでなかなか星を見つけにくい昨今、満天の星空はプラネタリウムの中にしかないのかも知れません。国立科学博物館によれば、およそ100年前、1923年にドイツのカール・ツァイス社が画期的な投映式プラネタリウムを開発して以降、日本でも1950年代後半から複数のメーカーが様々なサイズのプラネタリウムを開発。技術の革新は進み、1980年代以降は「宇宙型」と呼ばれる、各惑星をコンピュータで演算制御し、地球上からだけではなく、太陽系近傍のどこから眺めた惑星の運動でも再現できるタイプに進化したそうです※。

当館のお近くでも、2021年10月にコニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYAが開館しました。日本初のLEDドームシステムを採用して、星空と全天周映像を体験できるそうです。この夏、ご自宅周辺で、旅先で、プラネタリウムで、夜空を見上げてみませんか?

※国立科学博物館『技術の系統化調査報告』第29集、2020年

コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA(同館提供)