1月18日(日)に、「みんなで頭の体操♪ 木のTパズルをつくろう」を開催しました。

 講師は、豊田市内の交流館などで工作イベント活動をされているトヨタDIYの橋本さんです。

 「Tパズル」は、その名前よりも「旅館でよく見る木で出来たパズル」というイメージの方が強いかもしれません。最近は、全く知らないという子ども達も多いようですね。
実はこのTパズル、シルエットパズルの代表として世界的に有名な傑作パズルなのです。4つの異なる形をしたピース(破片)を組み合わせて、Tの字などの様々な図形がつくれるという不思議なパズル。頭の柔軟体操にはもってこいです。
講師がマグネットシートでつくったTパズルで、実際にTの字、そして五角形ができるところを披露すると、子ども達も見本のパズルで真似をして、このパズルの奥深さを実感します。


15Tパズル① 15Tパズル②

それでは、いよいよTパズルの製作開始!まずはノコギリを使った木工作業です。
片側が少しV字のようになった細長い木の板材を、講師オリジナルの治具にセットし、横から止めネジをしめて固定します。
※治具・・・加工や組立ての際、部品や工具の作業位置を指示・誘導するために用いる器具

 ガイド部分にノコギリの刃を入れ、水平に往復させます。治具さえあれば、技術がなくても自動的にまっすぐ切ることができます。今日は親子ペアのプログラムなので、最初はお父さんやお母さんに手をそえてもらいながら切っている子もいましたが、慣れてくると一人でギコギコ、リズムよく作業を進められるようになりました。

1つずつ順番にピースを切り出し、すべて切り終えたら紙やすりで表面を整えます。 
「ノコギリの刃先は一枚ごとに左右に振り分けてあるから、ノコ板の厚み以上の切り幅で切断していくんです。だから切り進めても摩擦の抵抗が少ないんですよ」
作業後はノコギリの刃を観察しながら、その構造についてもしっかりと勉強しました。


15Tパズル③ 15Tパズル④
15Tパズル⑤ 15Tパズル⑥

次は順番に会場の外に出て、パズルに焼き印を入れていきます。 
木材のピースを組み合わせて五角形をつくり、講師オリジナルの鉄枠をセットします。焼きゴテの形は「クローバー」と「お花」のどちらかを選び、炉の中でしっかりと加熱されるのを待ちます。ドキドキしながら焼きゴテを受け取り、五角形の真ん中部分に向かって真っすぐ上から当てていきます。

 当てた瞬間は「ジュ―ッ!」と煙が立ちこめ、迫力満点です。煙がおさまるまで当て続け、あとは形がキレイに出るように 、上下左右にグリグリと万遍なく力をこめます。ハンコを押すときに、文字が欠けないようにするのと同じイメージですね。コテを外すと焼き印模様がしっかり入っていて、思わず感動♪
鉄枠の外側の部分は、講師がバーナーであぶって焦がします。


15Tパズル⑦ 15Tパズル⑧
15Tパズル⑨15Tパズル⑩

続いてパズルをすべて裏返し、今度はTの字をつくります。ワッシャー、ネジなどの様々な金属部品から好きなものを自分で選び、パズルの上に置いていきます。自由にレイアウトし、これを講師が上からバーナーであぶることにより、金属部品を置いた部分だけ色が変わらず、模様が浮かび上がるのです。
仕上げに、パズルを水に浸してタワシでこすります。ゴシゴシこすって木の表面についた黒いススをしっかり落とすと、木目の映える美しい焼き色が顔を出しました。


15Tパズル⑪ 15Tパズル⑫
15Tパズル⑬ 15Tパズル⑭

会場内で順番を待っている子や外での作業が終わった子は、講師が用意したTパズルの問題にチャレンジします。問題数は、全部でなんと22問!4つのピースを組み合わせてつくる様々な図形が問題シートにプリントされています。
「本当にこんな図形ができるのー?」
最初は半信半疑だった子ども達ですが、少しずつTパズルの世界に入りこみ、次々と新しい問題に挑戦しては頭を悩ませます。ピースの形と問題の図形を交互に見ながらじっと考えこんだり、とにかく手を動かして試行錯誤してみたり・・・。答えが分かったら、忘れないようにプリントに線を書きこんでおきます。


15Tパズル⑮ 15Tパズル⑯
15Tパズル⑰ 15Tパズル⑱

最後は、Tパズルの問題の答え合わせです。正解が分かったという子が次々と手を上げ、マグネットシートのピースを使って1問ずつ発表します。
「他の図形も解けた人いる?」 「ハイ、ハーイ!」
素早く目的の図形をつくった発表者に、みんなで大きな拍手♪ 参加者の中には22問全部解けたという子もいて、子ども達の集中力には本当に驚かされます。


15Tパズル⑲ 15Tパズル⑳

ノコギリで切ったり、焼き印を入れたり、あれこれと頭をひねったり・・・。普段なかなか経験できないことばかりの濃い2時間を終え、思い入れたっぷりの手作りTパズルを大事そうに持ち帰ります。
ワークショップ終了後は、館内の特別展示室へ移動し、開催中の竹中大工道具館開館30周年記念巡回展「日中韓 棟梁の技と心」の見学をしました。迫力の建築模型や大工道具、設計図などを前に、今日の木工作業を思い出しながら興味深く眺めている様子の子ども達でした。


15Tパズル⑳’ 15Tパズル⑳”