2月7日(土)に、「リニアモーターをつくろう」を開催しました。

講師は、アイシン精機株式会社で企業市民活動を行っている、さわやかふれあいセンターとアイシン技能士会の皆さんです。

リニアモーターとは、よく見る回転式のモーターと違い、直線的な動力を発する電気モーター。このリニアモーターを使って動く鉄道車両が、皆さんご存知の「リニアモーターカー」です。
現在の新幹線の約2倍のスピード「時速500km」を実現する「リニア中央新幹線」も、完成すれば、東京~名古屋~大阪の三大都市圏が約1時間で結ばれる夢の技術です。
今回は、身近な材料を使って、小さな「リニアモーター」を自分で作ることに挑戦します。

作業の前に、まずはリニアモーターの仕組みを理解するため、電気と磁石の原理について学びました。
磁石の周りには目に見えない“磁界”があり、磁石がくっついたり離れたりするのはこの磁界の影響です。磁界は電流の周りにも生じるため、大きな電流を流せば、強力な磁石と同じ働きを作ることが可能。この働きを巧みに利用することによって、リニアモーターの高速運動は作り出されるのです。
講師が作ったリニアモーターの模型を観察し、さらにイメージを深めることが出来ました。


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必要な材料・工具を準備して、いよいよ製作開始です!
まず、確認用の棒磁石を使って、丸い磁石12枚のN極の面を調べ、サインペンでNと書きます。一つでも面を間違えるとリニアモーターが正常に動かないので、注意して進めます。
磁石の向きを調べ終えたら、定規を使って土台となるスチロール板にレールを貼る位置を測り、鉛筆で線を引きます。


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次に、1cm幅のスチロール板で出来たレール1本を、土台の端に合わせ両面テープで貼ります。そしてそのレールに沿って、N極が上になるように磁石を並べます。すき間なくキレイに並べたら、磁石をはさむようにもう1本のレールを貼ります。
その後、2本のレールにアルミテープを貼り合わせます。表面にシワができないように注意し、細かい部分はペンや乾電池でこすって平らにします。


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続いて、走行体をつくります。短く切ったタピオカストローの表面にアルミテープを巻きます。転がしながら丁寧に巻き、外側にはみ出たアルミテープは、鉛筆などを使ってストローの中に押しこみます。
最後に、電池ボックスに乾電池をセットし、リード線の先を2本のレールにつなげます。レールのアルミテープを洗濯バサミでしっかりとはさみこんだら、ついにリニアモーターの完成です!


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さっそく、走らせてみます♪
走行体をレールの上に置き、電池のスイッチを入れると・・・。次の瞬間、走行体はコロコロと勢いよく走り、レールの外まで飛び出していきました!
レールも走行体も表面にアルミテープが貼ってあるため、レールに流した電流は走行体を通過します。走行体から発生した磁界が、レールの間に並べた磁石の形成する磁界と反発したり、引き合ったりして走行体は動くのです。


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リニアモーターを完成させた後は、色んなトライ(実験)を行いました。
まずは、「逆向きに走らせるには、どんな方法が考えられるでしょうか?」 という講師からの質問について考えた後、レールの裏側にアルミテープを貼って新たなレールとする実験を行いました。磁力がスチロール板を通り抜けるため、磁石を全て裏返しにした場合と同じ条件となり、走行体は逆向きに走ります。 

次は、走行体にヘアゴムなどの飾りをつけて走らせてみました。飾りの重みで走るスピードが落ちましたが、見た目が可愛くなるのも良いですね。一長一短がある状況で、性能とデザインをいかに両立させるかは、実際のモノづくりの現場でもより良い製品を生み出すため常に考えられていることです。


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「もっと早く走るようにするにはどうしたら良いでしょうか?」 同じテーブルの子同士で、電池を直列につないだり、レールを重ねて磁石の力を強くしたりしました。勢いを増して走り出す走行体に、大盛り上がりでしたね。
色んな実験をして、子どもたちもリニアモーターについてより理解が深まったのではないでしょうか。これをきっかけに、世の中の新しい技術やモノづくりに、どんどん興味を持ってくださいね! 


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