7月11日(土)に、「ニュートン?マクスウェル?科学コマをつくろう」を開催しました。

講師は、愛知工業大学 電気工学専攻の中野寛之先生です。愛知工業大学では、オープンカレッジ 名古屋キャンパス公開講座を開催しており、中野先生は「少年少女のための講座」でロボット教室や、科学・ものづくり教室の講師もされています。

今回は、ななめにしても倒れない「マクスウェルのコマ」や模様が変化する「イリュージョンコマ」など、不思議な科学コマの実験を行います。

実験の前に「ひねりコマ」や「糸引きコマ」を実際に回してみます。コマには様々な種類があることがわかりました。
続いて中野先生より「コマがデジタルカメラなど身近な製品に応用されていること」「マクスウェル」について説明を受けました。
「マクスウェルは、イギリスの物理学者です。電磁気学でもっとも偉大な学者の一人。熱力学などの研究でも知られています。」
マクスウェルは、
・コマの重心を変えると、首ふり運動【歳差運動(さいさうんどう)】の向きが変わる現象
・重心と支点が一致したところでは、首ふり運動をしないので「倒れないコマ」となること
を発見しました。よって、このコマは「マクスウェルのコマ」と呼ばれています。

コマで遊ぶ講師

【マクスウェルのコマ】
ではさっそく重心を自在に変えられるコマを作り、実際に回しながら「重心と支点の関係」について実験してみましょう!
材料を確認したら、まずペットボトル土台を作ります。穴のあいたペットボトルのキャップにウッドティ(ゴルフボールをおくピンを活用!)を挿し込み、ペットボトルに取り付けます。

土台つくりキャップはめる

次にライトアップ土台を作ります。電池ボックスのリード線とLEDの足をつなぎ、プラ容器に入れセロハンテープで固定、容器のふたをかぶせてスイッチを入れ、LEDが点灯すれば完成です。この上にペットボトルをのせると、中に入れた透明な玉に反射してとてもキレイです。

LED1LED2
土台はめる土台光る

コマを作ります。プラおわんに穴を開け、おもりとなる反射板をコマの下の方に均等に貼ります。中心に軸を挿し込み、出来上がりです!

穴あけ軸をさす

それでは、実験してみましょう!コマを上下に移動させて重心を変え回します。軸の動きを観察すると・・・「重心が支点(軸の下端)より下の場合は、首ふり運動はコマの回転とは逆の方向」に、「重心が支点より上の場合は、首ふり運動はコマの回転と同じ方向」になりました。
次に首ふり運動が起こらない位置を探します。何度もコマの位置を調整すると・・・見つかりました!ここが、重心と支点が一致する位置です。
「すごい!斜めにしてもコマが倒れないよ!」
指先や、ペン先の上でも軸が動かずにその場で回り続けます。どれだけ斜めに傾けても、倒れずに回り続けるので手品のようです。

軸位置調整2軸位置調整
首振り運動なし3首振り運動なし2

【トレミーのコマ】
次は、モール2本をらせん状に巻き付け、写真のように曲げたものをコマの軸に近づけてみます。すると、コマの軸がモールに沿って動きました!これは「トレミーのコマ」です。軸がモールの端をクルッと周って戻りとても面白い動きをします。

トレミーのコマトレミーのコマ

【イリュージョンコマ】
虹色(7色)を放射線状に並べたコマで、回転させると色が消えて灰色一色になる「ニュートンのコマ」や、白黒模様なのに回すと色が見える「ベンハムのコマ」など、7種類の「イリュージョンコマ」の実験を行いました。
「なぜこのような現象がおこるのか、いまだによくわかっていません。将来、みなさんが解明できるかもしれませんね。」

ニュートンのコマベンハムのコマ

【ラトルバック】
最後におまけ実験!髪留めの両端にクリップと矢印をつけます。ポイントは、髪留めの左側は下半分、右側は上半分の位置にクリップをつけること!矢印と逆の向き(時計回り)に回すと、だんだん回転が遅くなりやがて、がたがたゆれて(ラトル)、逆回転(バック)を始めます。
なぜ逆回転するのかは、解明されているのでじっくり調べてみて下さいね。

ラトルバック1ラトルバック2