2月14日(日)に、「科学のびっくり箱!なぜなにレクチャー 衝突安全ボディ」を開催しました。講師は、トヨタ技術会の皆さんです。

※ トヨタ技術会
トヨタ自動車に勤務する社員が任意で加入する団体で、社内のエンジニアを中心に組織されています。会員の技術・技能の向上および親睦を図り、さまざまな事業の技術分野の発展への寄与と地域社会への貢献を目的としています。

今回は紙を使って、模型のクルマに装着する緩衝材(かんしょうざい)を製作し、クルマが衝突した時に衝撃をいかに吸収するかを学びます。
ビデオで衝突安全ボディ「GOA」の構造を理解した後、模型のクルマに人に見立てた卵を乗せて、衝突させる実験を観察しました。クルマの前方が固いままだと卵は割れてしまいましたが、スポンジの緩衝材をつけると衝撃が約10分の1に抑えられ、卵は無事でした。

いよいよ製作開始!材料には用意された厚さの違う5種類の紙だけを使うこと、緩衝材の幅は7センチ以内でつくること、模型のクルマに取り付けられること。この3つのルールを守って、自由に考えます。
「紙を折ってバネを作ったら衝撃を吸収するかな?」
「三角柱と円柱は強さが違う気がする。縦でも横でも強さが違うみたいだから、どう組み合わせよう?」
皆見えないところにまで細かい工夫を重ねます。

緩衝材ができあがったら、模型のクルマに取り付けて、実験!坂道を走らせ壁に衝突させて、発生したG(衝撃力の値)を計測し、衝撃の少なさを比べるコンテストを行いました。発生したGの値が低いほど、作った緩衝材が衝撃を吸収していることになります。
「あれっ、バネや柱が大きな音でつぶれちゃった!つぶれるのが広がらないように柱で囲ってみようかなあ」
「柱をいくつも立てたら、ちゃんと力が分散したみたい!でももうちょっとつぶれた方がいいのかな?」

 
 
1回目の計測の後、講師からアドバイスをもらい、2回目の計測に向けて緩衝材をもう一度作ります。
「緩衝材は固すぎても、柔らかすぎてもだめなんだ!ゆっくり潰れていくと衝撃の力が分散するんだね」
「1回目で固すぎて衝撃を吸収しなかった柱を、くしゃくしゃにして柔らかくしたら、発生したGが低くなったよ!」
計測後の緩衝材はホワイトボードに次々と貼られていきます。最も衝撃を吸収したのはどんな形状か、子ども達は興味深く観察していました。

最後に、上位入賞者と、ユニークで優れた工夫をしたアイデア賞が選ばれて表彰されました。残念ながら選ばれなかった子も、工夫を凝らした素晴らしい作品ばかりでした。“自分で考え、試行錯誤する”モノづくりの醍醐味を味わう貴重な体験だったのではないでしょうか。