4月9日(土)に、「七宝焼きのアクセサリーをつくろう」を開催しました。

講師は、日陶科学株式会社の佐宗真由美さんです。

今回は、金属の上に重ねた絵の具を800℃で焼くと、あっという間にガラスになる釉薬のひみつを体験しながら、素敵なアクセサリーを作ります。

絵の具を塗る銅版の形と最後に取り付けるアクセサリーの部品を選び、絵の具の塗り方を教わったら、製作スタート!
使用するのは七宝絵の具です。色のついた細かいガラスの粉のようなもので、水とフノリを混ぜて使う、特殊な釉薬です。
※ フノリ(布海苔、布糊)・・・海藻の一種。煮溶かしてペースト状にして使う。

七宝焼き1 七宝焼き2       

七宝絵の具は塗り残しがあるとひび割れ、塗りすぎると流れてしまうため、慎重に作業します。
「七宝絵の具って色んな色があるんだ!銅版の形によって、透明色と不透明色を使い分けるんだね」
「色の出方は塗り方によっても変わってくるんだって!」
「真ん中に少し多めにのせて、それを伸ばしていくと上手に塗れるね」
色を塗り終わったら、塗りムラがないかなどを先生にチェックしてもらい、続けてビーズをのせていきます。
焼いた後の仕上がりを想像しながら、子どもたちは自分なりのデザインを作っていきます。

七宝焼き3七宝焼き4

作業を終えたら、作品を炉の上にのせてよく乾燥させ、800℃の炉に入れて焼成します。
焼成後作品が完全に冷めるまでの間に、七宝焼きの歴史や製作工程について、クイズで楽しく学びました。
七宝焼きの歴史は古く、紀元前エジプトのツタンカーメン王の黄金のマスクにも使われています。また『尾張七宝』といって、あま市七宝町をはじめとした地元尾張の伝統工芸でもあります。
「七宝焼きって歴史あるものなんだ!工芸品が町の名前になるくらい、製造が盛んだったんだね!」

作品が冷めたら、選んでおいたアクセサリー部品を最後に付けてもらい完成です♪

七宝焼き5七宝焼き6
七宝焼き7七宝焼き8

「表面がツルツルピカピカになったよ!」
絵の具の中のガラス粉が高温で溶けて金属に貼りつき、ガラス質に変化します。
「化学変化って面白いね!」
みんな各々色の組み合わせやビーズの配置を工夫して、個性豊かな作品ができあがりました。「七宝」の名の通り、まるで宝石のような輝きに子ども達は大満足です。

当館に展示の「トヨダAA型乗用車」「G1型トラック」のエンブレムにも、実は七宝焼きが使われていたことが分かっています。色合いについても、可能な限り当時に近いものを目指して復元されています。ぜひ立ち寄って見学してくださいね♪

七宝焼き9七宝焼き10