10月16日に引き続き、30日(日)に、「水溶液から結晶をつくろう!」を開催しました。

講師は、県内の科学館、小学校等でサイエンスショーやものづくり講座を実施、「科学実験キャラバン隊」などでも活躍されている、光ヶ丘女子高等学校 非常勤講師 沓名先生です。

今回は、水溶液から結晶を釣り出す実験と、ストームグラスつくりを行います。
※ストームグラス・・・19世紀のヨーロッパで天気を予測するために使われていた。結晶が天気によって変化する天気管。

物質が水に溶けるとはどういうことかを学んだ後、いよいよ実験!ミョウバンのタネを使い結晶を釣り出します。
※ミョウバン・・・食品添加物として、漬け物のナスの色を良くしたりするためなどに使われる。

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ビーカーに水とミョウバンを入れ、ガスコンロで熱します。70℃を超えないよう温度計を確認しながらかき混ぜ、ミョウバンを溶かし切ります。トールビーカーに移し替えて温度が下がるのを待ちます。
「温度が高いと結晶のタネが溶けちゃうよ」「55℃以下まで冷めたらOK!」
タネを割り箸に取り付け、トールビーカーに吊るします。そのまま発砲スチロールの容器に入れ、時間をかけてゆっくり冷まします。

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ミョウバンの結晶ができるのを待つ間にストームグラスをつくります。メスシリンダーやこまごめピペットの使い方を学び、薬剤の量を正確に量りながら作業を進めます。無水エタノールにショウノウを溶かし(溶液A)、精製水に硝酸カリウムと塩化アンモニウムを溶かします(溶液B)。
※ショウノウ・・・クスノキの香り成分の結晶。衣類の虫除けや芳香剤などに使われる。
溶液Aに溶液Bを入れ(溶液C)、よくかき混ぜると・・・「白く濁ったよ!」
ショウノウはエタノールに溶けるが水には溶けず、硝酸カリウムと塩化アンモニウムは水に溶けるがエタノールには溶けないため、結晶ができ濁ります。湯せん(湯浴)すると結晶が溶け透明になります。結晶は、溶液Cの温度などで大きく成長したり、小さく全体に浮遊したりと状態が様々に変化するため、大気の温度や湿度、気圧の影響によっても結晶が変化すると考えられ天候予測に使われました。

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溶液Cを試験管に入れ、漏れないようにしっかりゴム栓をし土台の板に固定します。周りに花を飾り付けたら完成です!四季の天候の変化をどこまで予測できるか、楽しみですね!

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さあ、そろそろ時間です。ミョウバンの結晶はできているでしょうか?ドキドキしながら保冷容器の中を見てみると・・・大きさ、形は様々ですが結晶は無事できあがっていました。
「キラキラ宝石みたい☆」「結晶がたくさん連なってるのもあるよ!」皆、大満足です☆
一度溶かしたミョウバンが、温度の変化や水の蒸発によって再び結晶として姿を現すこと(再結晶)をしっかり観察できましたね。

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実験をとおして化学変化の不思議をたくさん実感することができましたね。今日つくったミョウバンの結晶は、さらに大きな結晶に育てることもできます。ぜひチャレンジして下さいね♪