自動車館

開発技術

開発技術

国産技術の確立

このコーナーでは、創業期から現在まで、それぞれの時代に直面した開発技術の足取りと、各時代を代表するトヨタ車を展示しています。材料開発技術、デザイン・設計技術、試験・評価技術など、幅広い角度から自動車技術の過去と現在を比較展示。技術の進歩が一目瞭然です。1台の車の中に盛り込まれた数多くの技術を徹底解剖して、自動車を知り尽くしましょう。

時代を代表するトヨタ車

自動車の“走る・曲がる・止まる”しくみ

トヨタ最初の乗用車・トラックから、最新のMIRAIまで、各時代を代表するトヨタ車が並んでいます。大衆化、高速化、快適性・安全性・低燃費の追求、そして環境に対する配慮へ。社会変化とともにさまざまなニーズが生まれ、それに応えるかたちで誕生した、それぞれの時代の代表車です。歴史の眠りから覚め、ピカピカに磨かれて生命を吹き返した自動車たち。昔を知る人には懐かしく、初めて見る人には新鮮な感動を呼び起こします。

トヨダAA型乗用車(1936年・複製)

トヨダAA型乗用車(1936年・複製)

豊田喜一郎は大量生産を実現するため、国産技術の確立をめざしました。AA型は当時、画期的な流線型のデザインで、現代の感覚にもマッチする斬新なスタイル。1,404台生産され、AA型で築かれた技術が、後の自動車産業を支える基礎となりました。

初代クラウン(1955年発売)

トランスミッション技術の変遷

1949年に乗用車生産の制限が解除され、国情にあった自動車の開発が本格化。初代クラウンはその先駆けとなったもので、トヨタが独力で純国産技術により開発した最初の本格的な乗用車です。アメリカンスタイルの軽快なデザイン、独特な観音開きドア、乗り心地のよい堅牢な足回り、最高速度は時速100km。1956年「ロンドン・東京5万キロ」走行に挑戦、成功しました。

材料技術の変遷

材料技術の変遷

自動車の部品は、鉄・銅・アルミなどの金属から、樹脂・ガラス・ゴムなどの非金属まで、さまざまな材料からつくられています。自動車製造に使われてきた材料の変遷、AA型乗用車と現在のセルシオとの材料比較について紹介。また、限りある資源と地球環境を守るためのリサイクル技術にもスポットを当てています。

技術開発の変遷

ステアリング技術の変遷

戦後、日本の自動車メーカーの多くは外国のメーカーと提携し、技術導入とライセンス生産を行いました。しかし、トヨタは独力で国産技術の確立をめざし、日本の国内事情に合った独自の企画・開発で初代クラウンを完成させました。試行錯誤しながら独自でゼロから築き上げたトヨタの技術開発の変遷を展示しています。

モデリング技術の変遷

モデリング技術の変遷

スケッチから図面を描き、これを縮小や原寸で立体的に提示するのがモデリングです。創業当時には手叩きによる板金で試作車をつくるなど、試行錯誤しながら独自の工夫を積み重ねてきました。1950年代のトラック1/1木製モデルや1/5クレーモデルを展示して、さまざまなモデリング技法を紹介しています。

映像コーナー(新しい車が生まれるまで)

ホイール・タイヤの変遷

新しい車はどのような過程を経て生まれるのでしょうか。トヨタの新製品開発プロセスをアニメーションでわかりやすく紹介しています。チーフエンジニアを中心にプロジェクトチームが組まれ、新しい車の企画から生産を開始するまでの流れをご覧できます。

技術開発

自動車は交通や輸送に欠かせない重要な手段として、広く社会に浸透してきました。1970年代になると、安全対策、排出ガス規制、省資源・省エネルギー対策など社会的な問題への対応のための技術開発を進めました。さらに1980年代に入ると、ユーザーのニーズもますます多様化・高度化・複雑化してきました。このコーナーでは、世界の市場を見つめ、人と社会に調和する自動車づくりをめざす、トヨタの車づくりを紹介しています。

1960年~2000年のトヨタ車

1960年~2000年のトヨタ車

マイカー時代の先駆けとなった初代カローラ、安全対策や排出ガス浄化・低燃費化などのニーズに応えた初代カムリ、海外からも高性能・高品質な車として高い評価を得た初代セルシオなど、日本のモータリゼーションの発展と共に歩んできた代表的なトヨタ車をご覧いただけます。

初代カローラ(1966年発売)

初代カローラ(1966年発売)

国際市場に通じる高速性能に優れたファミリーカーとして開発。わが国のマイカー時代の先駆けとなった車です。性能、居住性、維持費、価格などすべての面でファミリー層に高い評価を得ました。

初代セルシオ(1989年発売)

初代セルシオ(1989年発売)

1980年代に入ると、日米の貿易不均衡が拡大し、アメリカ向け自動車の輸出自主規制が開始。それに対応して海外での現地生産が進められる中、セルシオは世界市場で高い評価を得られる高性能・高品質な車として誕生しました。

評価技術の変遷

評価技術の変遷

自動車の走行性能の向上は、テストコースをもとにした評価技術の進歩と切り離せません。創業時には公道を走らせてテストを行っていましたが、その後、テストコースで走らせ、乗り心地、操縦安定性、振動・騒音、制動性などを評価することで、信頼性の高い車づくりに大きく貢献しました。世界の道路の見本やボタン操作で動くシャシーダイナモメータなどを展示しています。

安全技術の変遷

安全技術の変遷

自動車事故から人を守るためには、事故が起こらないようにする予防安全技術とともに、万一事故が起きたときに人の身を守る衝突安全技術も大切です。視界と視認性を確保する技術や安全実験車「トヨタESV」、ダミー人形、衝突実験車、シートベルト、エアバッグなどを展示しています。

低燃費技術の変遷

低燃費技術の変遷

自動車の省エネルギー化は、いまや重要なテーマのひとつです。構造・設計や材料による軽量化技術、デザインによる空気抵抗を低減する技術、転がり抵抗を抑えるタイヤの改良など、低燃費化を図るために用いられてきたさまざまな技術を取り上げています。

排出ガス低減技術の変遷

排出ガス低減技術の変遷

自動車の排気ガスを浄化する技術は、1970年代に大きく進展しました。人と地球環境にやさしい車づくりに欠かせない排出ガス低減技術のしくみ、酸化触媒(さんかしょくばい)システム、三元触媒システムについてくわしく解説。また、各種触媒コンバータなども展示しています。

快適な室内環境の変遷

快適な室内環境の変遷

走り心地だけでなく、乗り心地にもこだわりたい。そんなニーズが技術の進歩と共に高まってきました。運転に適した機能を求めたシート、振動や騒音の少ない室内、エアコンやオーディオなどの操作性など、より快適な室内環境を求めて改善を繰り返してきた技術を展示しています。

新しい動力

新しい動力

クリーンで低燃費、しかも走行性能は従来のエンジンに劣らない。そんな夢のある自動車づくりをめざして、トヨタでは新しい動力の開発が進められています。ハイブリッドガスタービンエンジン、メタノールエンジンなどを展示、実用化に向けて期待が高まる先進技術を取り上げています。また、ハイブリッドカー「プリウス」の実車展示とトヨタハイブリッドシステムについてわかりやすく紹介しています。