「サクラサク」をご存じですか?

4月を迎え、柔らかな光の中に新しい季節が訪れました。厳しい受験期を乗り越え今月から大学生活を始める方は、文部科学省の推計で60万人強にのぼります。日本では18歳人口が1992年の205万人をピークに減少を続けており(2022年:112万人)、大学進学者数も2026年を境に減少局面に入るとの見通しが示されています。

私自身は共通一次試験(現在の大学入学共通テスト)を導入2年目となる1980年1月に受験しました。地元の神戸大学志望でしたが、自己採点の結果に愕然とし、合否判定で二次試験を重視する筑波大学に急きょ受験先を変えました。幸いにも合格できましたが、当時感じた不安と緊張を苦くも鮮やかに思い出します。そのかわり、筑波大学での4年間はとても楽しく充実した日々でした。

当時の合格発表は大学構内での掲示が主流で、遠方の受験生には学生アルバイトが電報で合否を知らせることもありました。合格なら「サクラサク」、不合格なら「サクラチル」。そのわずか五文字に受験生の人生の節目が凝縮されていました。その後の情報技術の進歩、パソコンやスマホの普及とプライバシーへの配慮から、現在はウェブサイトでの合否照会が一般的になりました。もっとも、咲いても散っても美しい桜にとっては、合否の象徴として引き合いに出されるのは少々迷惑だったかも知れませんね。

参考資料:中央教育審議会大学分科会 高等教育の在り方に関する特別部会(2024年11月12日)配布資料2、p.2

トヨタ産業技術記念館のソメイヨシノ(2025年4月撮影)