館長コラム
2026年5月の館長コラム
2026年5月1日
開拓魂とベンチャー精神
トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。
風薫る5月となりました。例年より早く北上した今年の桜前線は、今ごろ北海道に到達している頃でしょうか。
その北海道の開拓魂を象徴するモニュメントが、札幌市豊平区の羊ヶ丘展望台に建つ「丘の上のクラーク」像です。
この像のモデルとなったウィリアム・S・クラーク博士は、今から200年前の1826年に米国で生まれ、マサチューセッツ農科大学の学長だった1876年に、北海道開拓使長官に請われて札幌農学校(現・北海道大学)の初代教頭として来日します。
翌年4月に離任する際、教え子たちに贈った言葉「Boys, be ambitious(青年よ、大志を抱け)」はあまりにもよく知られています。
「丘の上のクラーク」像は、北海道開拓の原点ともいえるフロンティアスピリットを全国に伝えていきたいという地元の思いから、
50年前の1976年に建立されました。早春の風にはためくフロックコートをまとい、クラーク博士が高く掲げた右手は、「遥か彼方の永遠の真理」を指し示すとされています。この開拓魂は、明治以降、日本に新たな産業を築こうとした先人たちのベンチャー精神とも深く響き合うものでしょう。ゴールデンウイークにあたり、近代日本の礎を築いた方々の不屈の精神に、あらためて思いを致したいと思います。
参考資料:さっぽろ羊ヶ丘展望台ウェブサイト https://www.hitsujigaoka.jp/

「丘の上のクラーク」像(画像提供:一般社団法人札幌観光協会)
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