6月28日(日)に、「振動動物ぶるぶる君をつくろう」を開催しました。 

講師は、愛知工業大学 電気工学専攻の中野寛之先生です。愛知工業大学では、オープンカレッジ 名古屋キャンパス公開講座を開催しており、中野先生は「少年少女のための講座」でロボット教室や、科学・ものづくり教室の講師もされています。

今回は、光を当てるとブルブルしながらコミカルに動き回る振動動物をつくります。見た目がネズミっぽいということで、講師は愛着をこめて“チュルブルくん”と呼んでいます♪

まずは、“明るくなると振動する”という仕組みをどうすれば作り出せるのか、講師から説明がありました。ポイントとなる部品は照度センサ、トランジスタ、偏心モータの3つです。
※照度センサ・・・光が当たると抵抗値が小さくなって電流が流れるようになり、暗くなると抵抗値が大きくなって電流が流れなくなるセンサ
※トランジスタ・・・小さな電気信号を大きな電気信号に変える素子

偏心モータは、携帯電話やゲームのコントローラー、電動歯ブラシなどにも使われている、おもりの付いたモータです。おもりの重心を回転軸からずらしていることで、回転時には重心がぐるぐると回り、全体が揺さぶられるのです。


15ぶるぶる① 15ぶるぶる②

暗いところでは照度センサの抵抗値が大きいため、電流が流れていきません。しかし、照度センサに一定以上の光が当たると、抵抗値が小さくなって電流が流れます。その電流の通り道にトランジスタとモータを配置しておくことによって、増幅した電流がモータに流れ、振動が発生するのです。
原理が理解できたら、実際にテスターを使って抵抗値の測定も行いました。テスター棒を電子部品に当て、数値を確認します。照度センサの場合は、光の当て方によって確かに数値が変わっていきました。


15ぶるぶる③ 15ぶるぶる④

いよいよ製作開始です。
ブレッドボードに目印となる数字と記号を書き込み、指定された部品を差しこんでいきます。
※ブレッドボード・・・はんだ付けをしなくても簡単に電子回路が作れる道具
トランジスタ、2つの抵抗、照度センサを、1つずつテキストで確認しながら差しこみます。正しい向きのある部品も多いため、間違えないように気をつけます。
※抵抗・・・回路に流れる電流を制限するための電子部品


15ぶるぶる⑤ 15ぶるぶる⑥
15ぶるぶる⑦ 15ぶるぶる⑧

続いて、本体部分の準備です。
ブラシを裏返しにして、毛束を抜いていきます。まとめて切ることができない丈夫な毛ですが、ニッパーで根元をはさんでひねると束ごと簡単に抜けて、とっても気持ちいいですね。決まった部分だけ毛を残せば、脚の部分が出来上がります。
ヒゲ、目、耳もそれぞれ取り付けることで、すっかり動物らしくなりました。


15ぶるぶる⑨ 15ぶるぶる⑩
15ぶるぶる⑪ 15ぶるぶる⑫

背中の部分にブレッドボードを貼りつけます。すぐ後ろに電池ボックス、モータを配置したら、それぞれの線をブレッドボードにつなぎます。モータの先にしっかりと尻尾(ゴムのおもり)をはめ込めば、チュルブルくんの完成です。
穴のあいた発泡スチロール半球に猫の顔を描いて耳をくっつけ、LEDライトを差しこむと、チュルブルくんに光を当てるためのネコ型ライトになります。


15ぶるぶる⑬ 15ぶるぶる⑭
15ぶるぶる⑮ 15ぶるぶる⑯

「すっごくブルブルしてるよー!」

照度センサにライトを当てるとモータが勢いよく回り、チュルブルくんは体全体を激しく震わせながら動き回ります。電子回路が正しく作れていたことにホッとする子ども達。ライトを近づけたり、離したりを嬉しそうに繰り返します。
前足(ブラシの毛)を少しだけ短くすればチュルブルくんが常に前に進んでいくことを発見したり、チュルブルくん同士で相撲をさせたりと、それぞれの楽しみ方を自発的に考えることができました。
仕組みを学び、モノづくりを体験する中で、科学への興味はますます広がりましたね♪


15ぶるぶる⑰ 15ぶるぶる⑱
15ぶるぶる⑲ 15ぶるぶる⑳