「からくりの秋」をお楽しみください

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

現在当館は「企画展の秋」を迎えています。先月ご紹介した環境技術企画展に続き、今月はトヨタコレクション企画展をご紹介します。トヨタコレクションって何?と思われる方も多いと思いますので、東京国立文化財研究所保存科学部の三浦定俊部長(当時)が、同研究所の広報紙に寄稿された文章を引用させていただきます。

「トヨタコレクションは、江戸中期から幕末期にかけて、欧米からの知的刺激を受けた学者や職人の手による、様々な科学技術に関する実物が多く含まれた資料として、大変価値の高いコレクションです。我が国の明治時代の技術発展の基礎は、様々なルートで鎖国日本に入ってきた海外の情報を、江戸時代の人々が自分たちなりに理解し取り入れていったことで築かれたと言われています。」(出典:東京国立文化財研究所『TOBUNKEN NEWS 2001 No.4』p.3 ,2001年1月)

今回の企画展のテーマは「からくり」。物を動かす機械的な仕組みのことです。現代の機械を分解していくと、ギヤ、カムやクランクなどを巧みに使いこなして狙った動きを実現していることが分かります。それは先人の知恵であり、江戸時代の技術が今も生きているということなのです。なお、週末と祝日には、当館スタッフによる茶運び人形や流鏑馬(やぶさめ)等の実演も実施中です。

また、関連イベントとして11月11日(土)と12月10日(日)に講演会も予定しています。詳しくは当館ウェブサイトの開館30周年特設ページをご覧ください(https://www.tcmit.org/30th/)。

トヨタコレクション企画展のからくり実演(土日祝のみ)